8月を過ぎても暑い日々は続きますが、9月に入り怖いのが台風。台風の影響により公共交通機関がストップし、地域によっては土砂、洪水などの多くの災害を引き起こします。
皆さんは台風に対しての災害対策はしていますか?前回は、災害時に用意しておくべきアイテムや知っておくべき知識についてお話しました。
今回は台風の対策についてお話したいと思います。
台風の定義
熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
気象庁:台風とは
台風とは簡単に言えば、風速17m毎秒の熱帯低気圧のことを指します。
具体的に風速17m毎秒とはどれくらいのレベルなのかといえば…
車庫などに利用される軽めのトタンなどは剥がれ、風に煽られ通行人が転倒し始める程度の風です。間違いなく傘はひっくり返ります。
立っているのがやっとというレベルですね。
また台風の強さを表す数値はヘクトパスカルと言います。この数値は数字が小さければ小さいほど台風の威力が増します。
日本における一般的な台風の場合は
弱い台風で、990ヘクトパスカル以上
並の台風で、960~989ヘクトパスカル
強い台風で930~959ヘクトパスカル
これらの数値が目安です。
令和元年には、バスやトラックが横転するレベルの台風を経験しています。
その数値は915ヘクトパスカル、死者91人、負傷者376人、行方不明者3人、そして被害総額は1兆8,600億円という甚大な被害を出しました。
豆知識
記録に残っている中で過去の台風の中で最も最凶だったものが、2013年11月にフィリピンに上陸した、台風。その数値なんと
895ヘクトパスカル
最大風速は105m毎秒という、台風というより巨大な竜巻なのではないかというレベルの台風でした。
出典:AFP/台風被害のフィリピンに世界中から緊急援助
台風の発生原理は熱さによるもの
台風の発生原理、なぜ9月頃にいきなり台風がたくさん発生するのかというと、温度が関係しています。
台風発生の工程
- 気温が高まる
- 海水があたたまる
- 海水の蒸発で上昇気流が発生する。
- 上空の気圧が低いため、水蒸気が雲になる際に熱を発する(気体⇒液体に凝縮される際に熱を発生する。)
- この熱がさらなる上昇気流の勢いを生む
- 上昇気流によって空気の流れを補うため、別の場所から空気が流れ込む(この際に渦が発生)
- 台風巨大化
猛暑が続く夏の場合、台風がより激化する可能性があるということです。
今年は特に去年に比べると、40度を超える地域も多く猛暑が続いた関係で特に台風対策や防災対策をする必要があります。
ライフセーバーの榎本さんによれば海水温度が随分高かったとコメントしていました。
11月までかけて発生する可能性のある台風は注意が必要ですね。
台風対策
台風の対策は、直前になると買い占めが始まるので、なるべく早く対策をしておく必要があります。
ガラスにテープを貼ると、砕け散らないという情報を掴んだのでテープを買いに行ったところ、どこにも売っていないという自体に…
避難グッズを用意する
台風が激化すると判断された場合、避難勧告が各自治体で発令されます。その際は、避難グッズを持っていくことが好ましいです。避難はより迅速が基本です。
台風が既に激化している場合だと外出することでかえって危ない状況になる可能性があります。
避難勧告が発令され、まだ台風の勢いが弱いうちに避難する必要がありますが、防災アイテムをあらかじめ揃えておかないと避難のタイミングを逃してしまうかもしれません。
避難する際のアイテムをまとめた記事もあるので合わせて確認ください!↓
また避難する際は、安全な避難経路を確認する為に、ハザードマップを確認し、安全なルートで移動するべきです。
ハザードマップは、各自治体のwebサイトで公開しているので、
例: 辻堂 ハザードマップ
例:大田区 ハザードマップ
このように検索をして確認することをおすすめします。
藤沢市土砂災害・洪水ハザードマップ窓ガラスの対策
窓ガラスが突然割れるというのが台風の怖いところ。風速17m毎秒以上の強風が吹き荒れるので、外においてある道具が窓に飛んで来てガラスが割れるという現象に注意です。
その対策としてテープを窓ガラスに貼るというものがあります。
これはガラスの強度を上げるものではなく、ガラスが割れたときの飛散を防ぐものです。
テープを貼り付けた上で、カーテンを閉めるのがベスト。
出典:FNNプライム音/「窓ガラスに養生テープ」の台風対策は効果ある? 正しい方法をYKK APに聞いた
避難する際は車で避難する?
台風が発生すると、各自治体で避難警報を出すことがあります。この避難警報が出たからと車で避難するのはできれば避けましょう。
車というのは非常に脆いもので、およそ30cm程度の冠水でもエンジンが故障し、動かなくなってしまいます。
冠水してエンジン停止→パニック→脱出困難このパターンが懸念されます。
車から動けなくなりそのままドアが開かない水位まで上がってしまい、そのまま流される、溺死というのが最悪のパターンです。
そのリスクがあっても車を選ぶ場合、車からの緊急脱出方法を把握しておく、かつアイテムを揃えておきましょう。
2020年現在の車のほとんどは、パワーウィンドウ(スイッチで窓を開け締めするもの)が主流であり、冠水により回路がショートしてしまうと窓から逃げることもできない場合があります。
窓を割って車から避難する場合は、サイドドアの窓を割る方法があります。フロントガラスは簡単には割れない構造になっており脱出は難しいです。サイドドアからの脱出を試みましょう。
割る際は、緊急脱出用のアイテムとして
窓を割る専用のアイテムがあります。このアイテムをダッシュボードに入れておき、このアイテムでガラスを割り脱出を試みましょう。
脱出する際は、ガラスの破片で手を切らないように布や座席布団などを窓のフレームにかけるなどして脱出することが好ましいです。
日頃から座席シートを使っておくといざというときにも使えます。
またこのようなアイテムがない場合は、座席のヘッドレストを外し、ヘッドレストの金属部分の鋭利な部分をガラスにぶつけます。
車に使われているガラスは、一点に集中した力が加わると割れるという特徴があります。ヘッドレストでも使い方しだいでは脱出に使えます。
警報の種類
呼ばれ方 | 状況 |
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高潮特別警報 | 海面の上昇で重大な災害が発生する可能性が高い |
高潮警報 | 海面の上昇で重大な災害が発生する可能性がある |
高潮注意報 | 海面の上昇で災害が発生する可能性がある |
大雨により海面が上昇することで発せられる警報、注意報です。この警報が発生されたときは、絶対に海に近づかないこと。
しかし残念ながら、毎年海付近で流される事故が発生しています。
呼ばれ方 | 状況 |
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波浪特別警報 | 高波による重大な災害が発生する可能性が高い |
波浪警報 | 高波による重大な災害が発生する可能性がある |
波浪注意報 | 高波による災害が発生する可能性がある |
台風による暴風や強風により高波が発生する可能性があります。これも一瞬で並にさらわれる危険があります。
呼ばれ方 | 状況 |
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暴風特別警報 | 重大な災害が発生する可能性が高い |
暴風警報 | 重大な災害が発生する可能性がある |
強風注意報 | 災害が発生する可能性がある |
呼ばれ方 | 状況 |
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大雨特別警報 | 浸水や土砂災害などの甚大な被害が発生する可能性が非常に高い |
大雨警報 | 重大な災害が発生する可能性がある |
大雨注意報 | 災害が発生する可能性がある |
台風に限った話ではありませんが、大雨特別警報レベルになったら、車であっても外出を避けるべきです。浸水してしまうと車に閉じ込められてしまいます。
呼ばれ方 | 状況 |
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洪水警報 | 河川が増水し、堤防決壊や河川の氾濫が発生するおそれ |
洪水注意報 | 河川が増水し、災害が発生する可能性がある |
これらの警報の中でも、特別警報というものは最大級の危険度を表します。
避難するにはすでに遅い段階ではあります。外が危険な場合は家の中でも安全な場所へ移動することが推奨されています。
突然、特別警報ということはなく、段階を追って発令されるものなので、自治体の避難指示などがないかテレビやラジオなどで情報収集をしましょう。
まとめ
避難グッズの用意、ハザードマップの確認、避難情報などをしっかり把握することが重要です。
増水時など大雨のときは車での避難は避けるべきです。それでも車を使わざるを得ない状況であれば必ず、緊急脱出用のアイテムを用意しましょう。
家にこもっていれば問題ないと思い土砂災害で亡くなられた方もいらっしゃいます。
自宅の立地で土砂災害の可能性があるかどうかもハザードマップで確認できます。
自分で情報を収集し、避難するべきか家にいるべきかを判断することが重要です。
- 避難グッズを用意しておく
- 有事の際は警報情報をこまめにチェック
- 必要な場合すぐ避難(避難がかえって危ない状況では自宅の安全な場所で待機すること)
災害時の基本行動を徹底しましょう。