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オープンウォータースイミング

【致死率97%】脳を食い荒らすアメーバで少年死亡 日本感染例あり

フォーラーネグレリアはご存知でしょうか?名詞だけ言われてもなんのことかわからないかもしれませんが、脳を食い荒らすアメーバです。

感染すると、致死率は97%といいます。

2020年9月にはアメリカで少年2人が亡くなっています。

当然、脳を食い荒らされた場合、命はないです。かなり危険な脳を食い荒らすアメーバですが、感染ルートは汚い水の中や、水道水

そして、汚い水といえば、プールのように塩素消毒されていない河や、湖。

オープンウォータースイミングでは、海以外にも湖を泳ぐこともあり、脳食いアメーバには注意が必要です。

出典:ナショナルジオグラフィック
出典:D.T. John & T.B. Cole, Visuals Unlimited

まるで死をあざ笑っているかのような風貌の脳食いアメーバ。

脳食いアメーバは塩素には滅法弱いとのことで、塩素消毒が十分なされているプールでは感染リスクはかなり低いと言えます。

少年が、脳を食べるアメーバにより死亡

テキサス州在住

ジョサイア・マッキンタイア(6歳)

出典:Yahooニュース

フロリダ州在住

タナー・レイク・ウォール(13歳)

出典:News4JAX

ジョサイア君は、近所の市民会館の噴水か、自宅のホースからでた水のどちらかから感染をした可能性があるとされたが、噴水からは脳食いアメーバは検出されず、疾病対策センター(CDC)による再調査で25サンプルの内3つから脳食いアメーバが検出されたといいます。原因は水道でした。

タナー君は湖で泳いだ日から数日で脳を食べるアメーバによって死亡したという報道がされました。原因は湖でした。

この脳を食べるアメーバ ”フォーラーネグレリア” に感染してしまうと、”原発性アメーバ性髄膜脳炎”を発症し、吐き気、嘔吐、発熱、頭痛に苦しみ、最後には昏睡状態になり、そのまま命を奪ってしまうという恐ろしいアメーバです。

日本国内での死亡例

日本では、1996年11月に佐賀県で25歳女性が発症し亡くなっております。

死亡例はかなり古い情報となっており、現在では脳食いアメーバによる死亡例は現在報告されていないようです。

なお感染ルートはわかっていないとのことです。

ただし、この一件から確かに日本にも脳食いアメーバは存在するということです。

幸い、日本の水質衛生環境は世界の中でもトップクラスであるため、感染事例が少ないのではないかと思いますが…

しかし地球温暖化で様々な病原菌がより活発になってくるという事実も見逃せません。

衛生的な水道水でも気をつける理由

アメリカでの事例ではありますが、水道水が原因で脳食いアメーバに感染したという報告があります。

日本では、アメリカより高い基準での消毒基準のもとで水道水は管理されているので、水道水からの感染はあまり考えられないようです。

しかし、いくら日本の水道水が安全だからといえ、蛇口を清潔にできているかどうかは、個々の管理の問題になってきます。

日本の水道水の安全基準は世界で最も安全と言われており、十分に塩素消毒がされていますが、水道水の末端が汚染されていたら清潔とは言い難いでしょう。

浄水フィルターを利用している方は使用期限を守り取り替える。沸騰させたお湯出しのお茶などは当日中に消費する(塩素が蒸発するので殺菌作用がなくなる)などの個々での安全管理も重要になってきます。

オープンウォータースイミングでの感染の可能性はある。

脳食いアメーバは、海水ではなく淡水を好む生物なので、海でのオープンウォータースイミングでは感染ルートとはなりえませんが、湖でのオープンウォータースイミングでは十分に注意が必要です。

脳食いアメーバに限らないですが、感染源に感染したら即発症というわけではなく、感染量が少なければ自己免疫作用により発症しません。

しかし自己免疫力が弱い、子どもや高齢者は発症するリスクが高くなります。

体調管理をしっかり行い、疲れている…と感じる場合は参加を控えるというごく一般的な対処法で感染を防ぐことができます。

これは、感染防止というだけではなく、遊泳中の思わぬ事故防止にも繋がります。

疲れた体で泳がないということが重要です。

感染部位は鼻から ノーズクリップが有効

鼻は口ともつながっていますが、鼻に感染に十分な量の脳食いアメーバが付着することで感染の可能性が増大します。

湖でのオープンウォータースイミングに挑む際は、ノーズクリップをすることでリスクを下げることが可能です。

出典:amazon

まとめ

脳食いアメーバこと、”フォーラーネグレリア” 感染し症状が発症したら97%の致死率をもつ大変危険なアメーバ。

日本国内では、水道水の水質は非常に安全ではありますが、消費者である私達自身が誤った水道フィルターの使い方や沸騰させた水を放置してしまうなど汚してしまう原因を作らないことが重要になります。

また感染箇所は粘膜ですが、鼻からの感染のリスクが上がるということで、湖でのオープンウォータースイミングでは、鼻栓をすることでリスクを下げることができます。

今回のコロナ禍では、コロナ感染を避けるため衛生対策を徹底した方が多くなったおかげで、インフルエンザの感染者が激減したといいます。

脳食いアメーバを過度に恐れる必要があるかは微妙なところですが、脳食いアメーバを避ける行動が他の細菌感染症を防ぐことができます。

衛生環境には日頃気をつけたいものですね。

参考文献