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健康

【感染症対策】基本の手洗い、うがい、マスクでの対策の有効性が実証されました。

2019年頃から新型コロナ感染症が世界全体で激増したことで、コロナ感染症対策が各自治体、各店舗、各家庭で徹底されるようになりました。

その甲斐があり2019年度のコロナ以外のウィルス感染者数が2018年度と比べると大幅に減少したようです。

すでに多くの方が実践しているかもしれませんが、改めてコロナ感染症の対策方法についてまとめてみたいと思います。

インフルエンザ感染報告数

コロナウィルスの流行により、各メディアでインフルエンザ感染数が減少したという報道がされていたので、厚生労働省の公的資料を確認してみました。

厚生労働省の【インフルエンザに関する報道発表資料】2019年度1月~2020年度2月のインフルエンザ感染数の数値です。

インフルエンザ報告数
報告:都道府県2020年1月27日~2月2日2019年1月28日~2月3日
北海道2,3648,023
青森県5222,041
岩手県1,1092,577
宮城県9805,583
秋田県6441,938
山形県6571,960
福島県1,3094,265
茨城県1,1265,737
栃木県8123,899
群馬県1,3623,936
埼玉県3,80516,881
千葉県3,43612,060
東京都4,65118,862
神奈川県4,42118,686
新潟県1,6455,626
富山県4801,768
石川県6712,483
福井県5691,387
山梨県5801,977
長野県1,2833,965
岐阜県8792,398
静岡県2,1675,327
愛知県3,8547,455
三重県1,0862,279
滋賀県7831,930
京都府1,5504,754
大阪府5,06510,457
兵庫県3,1137,081
奈良県7961,947
和歌山県5701,307
鳥取県3391,083
島根県3621,196
岡山県1,4163,135
広島県1,2384,054
山口県7292,622
徳島県4051,474
香川県5971,749
愛媛県1,0381,851
高知県1,0191,805
福岡県3,2038,475
佐賀県7181,294
長崎県1,3302,742
熊本県8972,372
大分県9983,024
宮崎県1,1602,760
鹿児島県1,5563,633
沖縄県7822,734
総数70,076214,592
参考文献:インフルエンザの発生状況

本来1月下旬から2月にかけてインフルエンザ感染数がピークなるはずですが、どの都道府県も概ね2~3分の1程度まで減少しています。

感染者数総数では2019年に対して33%となっており新型コロナウィルスが流行してからは、ちょうど1/3と驚くべき減少値です。直近10年の資料を見てみても、ここまで減少したことはありませんでした。

冬に感染しやすい感染症

冬に感染者が増える感染症は、

  • インフルエンザウィルス
  • ノロウィルス
  • RSウィルス

インフルエンザウィルス

出典:福岡県感染症情報

RNA型ウィルスタイプのウィルスということもあり毎年モデルチェンジをしていくウィルスです。

空気感染や飛沫感染するのでどこで感染するかわかりません。

この面倒くさい性質のうえ、毎年インフルエンザの予防接種をしなければならないわけです。

  • 急に発病する
  • 38度以上の高熱
  • 悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感
  • 喉の痛み、鼻水、鼻詰まり
  • 咳が強くなる

従来のコロナウィルス(風邪)と比べると重篤な症状を引き起こし高齢の方が感染すると致死率も高いウィルスです。

ノロウィルス

出典:福岡県感染症情報

これまたRNAウィルスということで非常に変異しやすいウィルスです。また感染力が異常に高いため、ほんの少しのウィルスに接触するだけで症状を発症してしまいます。

患者の嘔吐物や下痢便などを適切に処理できないと、ウィルスの粒子が空気中に舞い上がり空気感染までしてしまいます。

  • 激しい下痢や、嘔吐、腹痛 ときには、発熱、頭痛、筋肉痛
  • 2、3日ほど症状が続く
  • 脱水症状

嘔吐してしまった場合は塩素やアルコールで十分殺菌を行い二次感染を防ぐ必要があります。またノロウィルスはアルコールや塩素に強い耐性があるので何度も繰り返して処置をする必要があります。

RSウィルス

出典:福岡県感染症情報

呼吸器系の感染症で2歳~3歳までには100%の方が感染しているとされています。

特に乳幼児は細気管支炎・肺炎などの重篤な症状を引き起こし、乳幼児突然死症候群の原因と考えられています。

感染力は強いものの、感染するごとに体が適応しやすく、鼻風邪程度まで症状が落ち着いてきます。

健康な方からしたらただの風邪というレベルですが、幼児だと危険ウィルスなのであなどってはいけません。

大人の場合

  • 鼻水
  • 微熱
  • いずれも軽度な風邪程度の症状

子供、免疫力が衰えた成人、高齢、妊婦、その他合併すると重篤化する疾患を持っている場合

  • 急性脳症、無呼吸症、中耳炎などの合併症(重篤化疾患の場合)
  • 肺炎、細気管支炎の発症

風邪との違いは重篤化するかしないかの違いです。

感染症対策方法

インフルエンザウィルス、ノロウィルス、RSウィルスの3点で共通感染症対策が、とにかく手洗い、うがい、マスクです。

手洗い、うがい、マスクです!
大切なことなので2度いいました。

この3つはいずれもRNAウィルスなので不安定で毎年モデルチェンジするタイプのウィルスであるのは間違いありません。

しかしインフルエンザとRSウィルスはエンベロープと言われる蛋白膜を持ち、こららは塩素やアルコールに弱いです。一方でノロウィルスはエンベロープを持たず塩素やアルコールに強い性質があります。

このようにウィルスによっては、アルコールや次亜塩素消毒などが有効なものとあまり効果が期待できないウィルスがあります。

「手についているのはインフルエンザウィルスだけだからアルコール消毒だけでいいや」という判断は不可能です。

だからこそ、消毒より手っ取り早いのが、ウィルスを洗い流してしまう一番の対策ということになります。

手洗いの効果は絶大

新型コロナウィルスの流行により手洗いうがいをしっかりするようになったからこそ、インフルエンザの患者が減ったと言われていますが、手洗いの効果は思った以上に効果絶大のようです。

手洗い方法残存ウィルス数
1.手洗い無し1,000,000個
2.水だけで15秒手洗い10,000個
3.ハンドソープで10~30秒もみ洗い 15秒すすぎ100~1,000個
4.ハンドソープで1分もみ洗い 15秒すすぎ10~100個
5.3の手順を2回1~10個

参考:厚生労働省

厚生労働省によると、手洗いを行うことで、行う前と比べると最大で0.0001%までウィルス数を減らすことができるようです。

ノロウィルスの場合1~100個程度でも発症すると言われているので“手洗い方法No.5”の方法で洗わないと発症リスクはありますが、インフルエンザやRSウィルスは、ノロウィルスほど感染力が高くないので、ハンドソープを使って手洗いをするだけでも十分効果があると言えます。

うがいは、最後の砦

手に付着したウィルスは手から感染することはありません。(傷口がある場合は別)

手にウィルスが付着した状態で料理をした、口を触ってしまったという過程を経て、体内にウィルスが侵入していきます。

口内や喉には呼吸により吸引してしまった病原菌やウィルスが付着しています。この感染源を断つ為にうがいをしましょう。

マスク着用はもはやマナー(義務)

マスク着用はもはやマナー、あるいは法令でマスクの着用を義務付けられている国や都市すらもあります。

マスクのフィルター機能はウィルスより遥かに大きいですが、咳、くしゃみ、呼吸の中でない場合より確実に空気の流れを抑制することができます。

出典:FNN 動画(0:20)

東大医科学研究所・河岡義裕教授/植木鉱史特任助教実験が行われ、マスクを密着させて着用することで、一定の防御効果があることが実証されました。

マスクはフィルター効果としてはウィルスより荒いから効果がないというデマもありましたが、効果が実証されているので確実に着用しましょう。

【こんな対策も】ウィルスは塗りたてペンキをイメージする

感染症対策をする上で、必要なのはウィルスをどれだけ遮断できるかにありますが、目に見えないサイズのウィルスを徹底的に遮断するのは難しいところです。

そこで、ウィルスを塗りたてのペンキでイメージするという方法を提唱した内科医の眞鍋葉子さんの対策が有効かもしれません。

この対策は至って簡単。ウィルスや、細菌などを塗りたてのペンキとしてイメージしましょうというものです。

屋外は基本的にすべて塗りたてのペンキでびっしり

公共交通機関であれば座席、つり革はペンキまみれ

買い物へ行けば商品のパッケージからエスカレーターの手すりまですべてペンキで塗装されて間もない状態です。

つまり外での活動後は基本的には体中ペンキまみれということですね。

食事をする時はペンキを洗い流してから食事をする。

家に帰ったら、一目散に服を洗濯機に入れてお風呂に入る。

少し神経質になりすぎると、生活支障が出てきそうですが、屋外に出れば常に感染源にふれる可能性をはらんでいるということを意識させる感染症対策でした。


出典:NHK/新型コロナウィルスを塗りたてペンキに例えてみる

まとめ

新型コロナウィルスの流行により、かえって感染症患者が減ったという現象が実際に起きており、どの程度減ったのかというのをデータを元にまとめました。

ウィルスの感染防止には、手洗い、うがい、マスク。そして、外から帰ったら服はすぐ洗濯するなどウィルスを徹底的に家に持ち込まない工夫が必要です。

またウィルスには一定の感染力というものがあり、ウィルスが一個でも付着したら感染ということではなく、自己免疫作用によってウィルスも代謝されます。

この代謝力を高める為の運動やビタミンをしっかり取れる食生活をすることでも病気の発症を止めることができます。

一つだけではなく、複数の対策を重ねることが重要です。