朝ごはん、皆さんは食べていますか?
平成19年以降では男性は6,7人中で1人、女性は10人に1人は朝ごはんを取らない派のようです。
しかし朝ごはんを取らないことで様々な弊害があります。
厳密には、日常的に朝ごはんを食べているのに、朝ごはんを何らかの理由で摂取しないときが頻繁にあるという方は要注意です。
朝ごはんを抜くとこんな弊害がある
朝は食欲が出ず朝ごはんを取らないという方も多いのではないかと思います。しかし朝ごはんを抜くと体に様々な弊害があると言われています。
脳への影響
夜ご飯を一般的に18時~20時くらいの間に取ると考えると、朝の段階で12時間近く食事をとっていない状態といえます。
脳の活動はブドウ糖をエネルギー源としており脳細胞はこのエネルギー源を元に神経活動を行っています。
ブドウ糖は基本的には、ブドウ糖の形を保ったままで体に保存することが出来ず、様々なエネルギー元がある中でも真っ先に代謝されてしまいます。
つまり、朝ごはんを抜くことで脳はエネルギー源であるブドウ糖が不足してしまい、集中力や記憶力が低下すると言われています。
筋肉への影響
体に保存されているブドウ糖はグリコーゲンという別の物資に化学変化し肝臓に保存されます。ブドウ糖→グリコーゲン→ブドウ糖という形で形を変えることで体に保存されています。
しかし肝臓に貯蔵できるグリコーゲンの量は、成人でもたった400kcalしかないので、夜ご飯から朝ごはんまでの12時間で代謝されてしまいます。
すると、次に分解されるのは筋肉内のグリコーゲンが代謝され筋肉への栄養源が生命維持という最重要任務のための栄養源に回ってしまいます。
そして、さらに時間が経過すると筋肉が分解され始めます。朝ごはんを抜くことでせっかく鍛えた筋肉があっという間にやせ細ってしまいます。
筋肉が代謝されてしまうと太りやすく…
そして一度痩せるというよりやつれてしまうと、今度は逆に太りやすい体になってきます。
筋肉そのものの代謝量というよりは筋肉が増えることにより内臓も変動し代謝量が変動すると言われています。
つまり・・・
- やつれる(筋肉量減少)
- 太りやすくなる
- ダイエットでご飯を抜く
- グリコーゲンが不足し、筋肉が更に代謝される
- やつれる(筋肉量減少)
という苦しいループに入ってしまいます。
逆にご飯を摂取し続けなかった場合
一方で朝ごはんだけではなく、昼や夜どちらかも抜き一日一食という極端な場合はまた別の話です。
ご飯を摂取し続けなかった場合、必ずしも体が駄目になってしまうというわけではありません。
冒頭でもお話したグリコーゲンですが、これは手っ取り早くブドウ糖に変換できる栄養源なので真っ先に代謝されます。
しかし日常的にグリコーゲンが不足した状態が続くと、体が生命の危機を本能的に感じるようになり、いわゆる飢餓状態になります。
日頃栄養をしっかりとっている体の場合、脂肪を代謝するのは後回しになりますが、飢餓状態だと脂肪を代謝するようになります。
グリコーゲン>脂肪>筋肉(タンパク質)
という段階的に代謝されるようになりますが、脂肪はいきなり代謝することは出来ず、一度グリコーゲン、グルコースに再生成しなければならなりません。
しかし体が常に飢餓状態になっているとこのケトン体の発生が活発化するため、脂肪が分解されやすい体になってくると言えます。
ケトン体が生成されやすい体だと痩せるけど体臭がひどくなる
朝食を抜けば痩せるんだ!と思った方。確かに朝食を摂取し続けなかった場合、脂肪が分解されやすい体になります。
しかしケトン体は、腐った果物の臭いがします。
脂肪を燃やしたい!でも体から腐った果物の匂いがするのは嫌だ・・・という方。まずはジョギングや出勤時に歩く距離を少しずつ増やす事から始めてみてはいかがでしょうか。
朝ごはんは摂取することが推奨されているるけど個人差が…
体には個人差があり朝ごはんを取ることは国が推奨していることではありますが、食べることで体調が悪くなるような方は無理して食べる必要はないかもしれません。
せめて水は飲みましょう。
寝ている間にも発汗をしており、およそ29℃の環境で8時間寝ると、500mlもの汗を出しています。
脱水状態の場合、栄養を体に送るための血液の循環が悪くなったり腸の活動が不活性となってしまうなどデメリットしかありません。
朝ごはんが取れない時…
朝ごはんが取れない理由は
- 寝坊
- 体調不良
- 食欲がない
- 寝る時間に回したい
- 食べるものが家にない
- 支度が面倒
- 医者に止められている
- 食べないほうが体調がいい
- 節約
- ダイエット
などの理由が挙げられます。
この内、寝坊や寝る時間に回したいというような時間が原因で朝食が食べられないという方は、ビスケットやシリアルなど手軽に糖質が摂取できるものを取るだけでも差がでます。
更に牛乳とシリアルを入れるだけなので5分あれば朝食が取れます。
肝心なのは朝に糖質を摂ることです。
非常事態の朝ごはん
朝ごはんの必要な理由について簡単にお話しましたが、朝ごはんはどんな環境でも取る必要があります。
どんなに厳しい環境でも朝食を取る世界最強の軍隊
世界最強と謳われる部隊があります。彼らはどんなに過酷な環境でも食事を取ります。
アメリカ軍 ネイビーシールズ。またの名を海兵隊 と呼ばれますが、ネイビーシールズの軍人たちは、常軌を逸した鬼教官の元でシバかれ続け、人間を超えた精神力と肉体を手に入れます。
そんなネイビーシールズでも、3食の食事を大切にしています。
どんなに過酷な環境であっても、忙しくても必ず食事が取れるようにレーションと言われる野外食を取るようにしています。
図のような袋には
- 穀物or麺
- クラッカー
- ピーナッツバターorジャム
- デザート
- 粉末飲料
- ガム
- インスタントコーヒー
- 調味料
- 防水マッチ
- お手拭き
- 加熱用ヒーター
などが入っており、水さえあれば袋に水を入れることで加熱してくれる仕組みになっています。
どんな過酷な環境でも食事こそが心身ともに元気になる源ということをわかっています。
温めた食事が大切
軍隊ほど朝ごはんに情熱を注ぐ必要があるかは人の価値観かと思いますが、災害時のような心身ともに強いストレスがかかる現場では3食しっかり取ることで、メンタル的にも肉体的にも体力を維持することができます。
また日頃朝ごはんを摂取している方は、皮肉にも朝ごはんを食べないケトン体多めの人種よりガス欠状態になりやすいゆえに朝ごはんが必須になってきます。
非常事態に備えて食事の準備も重要です。
そして、非常事態のときだからこそ意識したいことが、温かい食事です。
温かい食事は冷たい食事と比べると、消化酵素の働きが活発になり体への吸収率を高めてくれます。
また冬季などになると、体を温めるための防寒具も大切ですが、体の内側から温めるために温かい食べ物を摂取することが好ましいです。
災害現場では火の確保が難しい
炊き出しがあれば別ですが、すぐに火が用意出来ない時は、温かい食事を取ることが難しいでしょう。
そこで便利なのが、ヒートパック
袋に水と発熱剤を入れるだけで暖かくなります。
アメリカ軍が野外食で使っているMREと呼ばれるレーションも同じように発熱剤を入れることで冷たい食事を温かい食事にすることができます。
缶詰などは温めないと脂が固まっていて美味しくない…なんてこともあるかもしれませんが、ヒートパックで温めるだけで日常の食卓レベルの食事を取ることができます。
まとめ
朝食を取らない方も全体の1割程度。大抵の方は朝食を食べる習慣があると思いますが、この習慣を崩さないようにすることで日中のパフォーマンスを上げることができます。
一方で食べない方=悪習慣 というわけではなく、朝型、夜型のように生まれつきで相性はあります。食べたり食べなかったりといった不規則は体への負担が大きく大切なのは習慣を続けることです。
食べる場合は、温かい食事や食べる時間がない方は糖質を取ることが朝食には必要です。