もともとはほぼ金槌だったのですが週3で通って200メートルをクロールで泳げるようになりました。
熟練のスイマーからしたら200メートル泳ぐのはウォーミングアップにもならないと思いますが、そんなスイマーも初心に帰れる水泳種目があります。
記事のタイトルにもあるようにオープンウォータースイミングです。
オープンウォータースイミングとは?
オープンウォータースイミングとは、ものすごくざっくり言うと海や湖で泳ぐ競技です。
また遊泳距離やルールも大会ごとに差があるので、初心者でも技術や知識に見合った大会を選ぶことができるのがオープンウォータースイミングの強みだと思います。
オープンウォータースイミングの安全性
自然相手のスポーツなので、安全性については最大限に考慮されており日本国内のオープンウォータースイミング大会のほとんどが、ライフセーバーが配置され、緊急時に救助出来る環境を用意しています。
またライフセーバーというのも名ばかりのスタッフがただ見ているだけということが発生しないよう、公益財団法人日本ライフセービング協会が正式に認定した救命技術を持つライフセービング有資格者が監視にあたっています。
オープンウォータースイミングは競泳の兄弟?
国際水泳連盟という水泳競技の管理団体があるのですが、この国際水泳連盟に属する競技は以下のとおりです。
- 競泳
- 飛込
- 水球
- アーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)
- オープンウォータースイミング
参考
日本水泳連盟
オープンウォータースイミングは国際水泳連盟が管轄する5大競技のうちの一つです。
国際水泳連盟の競技であるオープンウォータースイミングですが、 以前から国内だけではなく海外でも親しまれており、晴れてオリンピックの正式種目となったのは2008年の北京オリンピックからです。
オリンピックの正式種目になったことで国内から優秀な選手を輩出する必要があるので日本国内でもオープンウォータースイミングの活動がより活発化しました。
遊泳距離
オープンウォータースイミングの遊泳距離は、500m、1km、5km、10km等、大会によって遊泳距離は様々です。
10km以上は、マラソンスイミングと言われています。完泳時間はトップアスリートの場合2時間程度となっており、マラソンの42.195kmのタイム2時間をイメージしています。
もちろん、自分の技術や知識と相談して出場したい大会を選ぶこともできるので、初心者であれば1km未満のオープンウォータースイミングから挑戦してみるといいですね。
逆に10km以上の大会では、ほとんどの大会は一般参加ができないです。
マラソンスイミングは誰でも参加できるわけではない?
オープンウォータースイミングも大会によりますが、10kmを超えるオープンウォータースイミング大会で一般の方が参加できるのは、湘南オープンウォーターのみとなっています。(2020年4月現在)
水泳経験者だとしても海での遊泳はプールの遊泳とは異なります。自然が相手なので水温が大会によって変わり、当日の環境によって水着やゴーグルを変更する必要があるなどプールでの遊泳とは異質ということがわかります。
多くのマラソンスイミング大会の場合、選抜された20名~30名程度の選手しかオープンウォータースイミングの大会に参加することができませんので、無名から10kmの大会に参加する場合は湘南オープンウォーターを目標とするといいと思います。
オープンウォーターに必要なアイテム
オープンウォータースイミングは、水泳競技ではあるものの人工的な施設のプールと違い自然相手の海が舞台となります。
登山と同じように備えないと遭難ならぬ水難事故が発生してしまいます。心構えとして、2時間以上、10kmを泳ぎ切るのに必要な十分な基礎体力やアイテムを買い揃えましょう。
この記事では、必要なものの一部を紹介し、細かい内容は別の記事で紹介したいと思います。
水着等
これがなければ始まりませんね。水着やラッシュガード、ウェットスーツなど様々な選択肢があります。しかし大会によっては、禁止されている種類の水着もあるので出場目標としている大会で着用禁止水着は予め調べておくことをおすすめします。
競泳水着
競泳の水着の場合は、水の抵抗を極限まで減らすためにかなりタイトな作りになっています。着用するのに小一時間かかってしまうようなタイプの水着は、オープンウォータースイミングには適しません。
ウェットスーツ
また、長時間泳ぐ場合にスウェットスーツを検討する方もいらっしゃいますが、ウェットスーツの場合、必ず自分の身体にあったものを選びましょう。身体に合わないウェットスーツを着用した死亡事故も過去に発生しています。
身体にあったウェットスーツの場合、体の冷え、クラゲ、日焼けなどの様々な外的障害から身を守ることができます。
ウェットスーツは初心者オープンウォータースイマーについては着用しておくメリットは大きいですが、多くのオープンウォータースイミング大会では、着用してもいいものの正式な記録にならないという場合が多いので、あくまでもタイムではなくまずは、完泳することを目標にする場合の着用をおすすめします。
ラッシュガード
ラッシュガードにも様々な種類がありますが、長袖のラッシュガードの場合ウェットスーツほどではないもののクラゲから身を守り、紫外線から肌を守るのに長けております。
泳ぎやすさ重視で着用するものではありませんが、視認性が上がるのでライフセーバーに自分の居場所を主張できるのでオープンウォータースイミングを始めたばかりの方は安全の為に着用することをおすすめします。
シリコンキャップ
シリコンキャップは、頭や身体の冷えを防止することができます。後頭部の中枢神経が冷えてくると、体全体が冷えてきます。国際水泳連盟の規定では16度以下にならないと大会は中止になりません。低体温症まで行かなくても体温が低い状態では高いパフォーマンスを出すことができません。
今年の海水温度(鹿児島港のデータ)は8 月中旬にピーク(30 度超)、その後頭打ちとなり9 月中旬頃か ら右下がりに低下しています。例年では、3 月に最低値(15 度前後)を記録することとなります。よって、 これからの季節、海でレジャーをする場合には防寒対策を万全にしておくことが重要です。万一通常の着衣 で海に落ちた場合、海水温度が15 度から20 度とすると3 時間程度で死の危険が生ずると言われています。
海上保安庁 第十管区海上保安本部 マリンレジャー安全推進室
状況が違いますが、20度以下の水温というのは非常に冷たく対策が必要ということがわかります。
※国際水泳連盟の規定は16度以下ではありますが、日本水泳連盟のオープンウォータースイミング大会主催者側へのガイドラインでは22度以下は開催するべきではない旨は書かれています。(強制ではない)
ゴーグル
ゴーグル選びも、水着選びと同じく非常に重要な要素と言えます。
オープンウォータースイミングの場合、100人単位の多くの選手と一緒に泳ぐことになります。
100人以上の選手が泳ぐ海では、バタ足による水しぶきで息継ぎができないほど密集して泳ぐ事があり、高確率で蹴ったり、蹴られたり、腕がぶつかるなどの状況になります。
顔の形状似合わないゴーグルを着用することで遊泳中に他選手にぶつかったりぶつかられて外れてしまう可能性があります。
混雑した中で視界がなくなることでパニックになり事故に繋がる可能性も否定できません。顔の形状にあったゴーグルを選ぶ必要があります。
透明度で選ぶ
ゴーグルには様々な透明度に応じたゴーグルが存在します。
透明度が合わないゴーグルを選択した場合、日光により目がくらんでしまいます。また曇で視界が暗くて見えなくなるなどの状況が考えられます。
少なくとも2種類以上のゴーグルは持っておくことをおすすめします。
ゴーグルの詳しい選び方は別記事でも紹介しているのでぜひご覧ください。
日焼け止め
日焼け止めの記事でも書きましたが、海やプール内は水に紫外線が乱反射し、強い日焼けを起こすことがあります。
サンタン日焼け(黒くなる日焼け)をしにくい色白の方は、肌への紫外線ダメージをより強く受けてしまいます。肌の紫外線ダメージはサンバーン日焼け(火傷型日焼け)へと繋がります。強い紫外線を受けやすく2時間以上泳ぐ場合は重症化する危険性をはらんでいます。
日焼けしづらい体質の方ほど特に日焼け止めクリームを活用する必要があります。たかが日焼けとたかをくくらず、日焼け止めを検討しましょう。
ワセリン
長時間遊泳ししているうちに身体が擦れてしまうと痛みで長時間の遊泳をしていることがストレスに感じるようになり集中力やモチベーション低下に繋がります。
ワセリンを塗っておくことでそのようなストレスを感じづらくなります。楽しむ為のオープンウォータースイミングですから、ワセリンを塗ることをおすすめします。
クラゲ避けクリーム
クラゲ避けクリームがないと、それだけクラゲに刺されるリスクが高まります。痛いだけではなく、毒性の高いクラゲに刺された場合命に関わるのでクラゲ避けクリームは必須アイテムです。
ハブクラゲ、カツオノエボシという日本にも生息しているクラゲは死亡例も出ているくらい凶悪な毒なのでそういったクラゲに遭遇する可能性がある以上はクラゲ避けクリームは必須アイテムと言えます。
新江の島水族館 エノスイトリーター日誌
カツオノエボシ
よく海の危険生物として紹介され、刺されるとピリッとした痛み、腫れ、人によっては呼吸困難になってしまうほど危険なクラゲです。刺されたときの感覚から「電気クラゲ」なんて呼ばれることもあるようです。
このカツオノエボシが、5月の上旬辺りから南風が強く吹く日に神奈川県の沿岸部で漂着しており、えのすいのすぐ目の前にある片瀬海岸にもたくさん漂着しています。
新江の島水族館 エノスイトリーター日誌
外見はとても神秘的できれいですが、刺されるとかなり痛むとのことです。痛むだけで済めばいいですが…
日焼け止めの効果もついている一石二鳥なクラゲ避けもあるので、オープンウォータースイミングだけじゃなく、海水浴でも活躍します。
エマージェンシーフロート
初心者に一番オススメしたいもの。エマージェンシーフロートは、救命補助浮き具のことを指しますが、水泳経験がある方でもオープンウォータースイミングが初挑戦ということであればエマージェンシーフロートの装備をおすすめします。
エマージェンシーフロートを装備しておくことで、ライフセーバーに対する視認性が上がり、緊急時の事故率低下に繋がります。絶対なければならないものではないですが、安全性を考慮すると重要なアイテムです。
注意:エマージェンシーフロート(救命補助浮き具)は、通常大会で利用すると正式タイムとして登録されません。あくまでも完泳することを目的として安全に大会に挑みたいという方におすすめです。
レスチューブ・スイム
エマージェンシーフロートは、常に膨らんだ状態の浮き具を浮かせて引っ張るという利用方法になります。一方でレスチューブ・スイムは普段はコンパクトで腰に装着しておき、緊急時にガスで一気にふくらませるというアイテムです。
レスチューブの場合は、安全性を担保しながらも利用さえしなければ完泳した場合には正式タイムが登録されるようです。
※もちろん大会ごとに規則が違うこともあるので、出場する前に確認をお願いします。
まとめ
オープンウォータースイミングをする上で予め心得ておくべき知識や技術を身につけることは前提ではありますが、アイテムを揃えることは知識と同じく必要なことです。
山という自然が相手である登山では、登山靴やそれに合わせた靴下、ストックなど登山に必要なアイテムを揃えるようにオープンウォータースイミングも相手は海という自然です。
知識と技術と道具の3点が揃って初めて安全にオープンウォータースイミングを楽しむことができます。是非、アイテムを揃える際は救急救命やオープンウォータースイミング関連グッズを取り扱っている当店にご相談ください。